無垢材の選び方!飫肥杉を例に考える。

家づくりの大事な話, 自然素材ともみの木

木の特性をより良く知って、

無垢材を賢く選ぶための情報です!

 

勉強の末、人工乾燥の無垢材は抜け殻という事がわかりました。

これは飫肥杉に限った事ではありません。

 

人工乾燥では本来木が持っている効果が得られないという事が解ったのです。

苦労の末、

 

天然乾燥の無垢材を見つけてからは人工乾燥材の無垢材を床や壁に使うのはやめました。

 

これは「健康住宅」とは言えません。

 

飫肥杉に限らず人工乾燥材をかけられた無垢材には問題があったのです。

その問題を知って、無垢材を選ぶ時の参考にしてください!

 

飫肥杉は船の材料に使われていた!

image飫肥杉(おびすぎ)を例に、

乾燥方法による無垢材の違いを説明していきます。

 

飫肥杉はその昔、

木造の船の弁甲板として使われていた材料です。

 

船に使用される材料ですから、

樹脂分、油分が強い木材です。

 

油分を多く含んでいると水を弾くので、水への耐久性にも優れています。

 

宮崎の杉(飫肥杉)の特徴を上手く利用して昔は造船の材料に選ばれていました。

 

飫肥杉は水に強い!

sugi飫肥杉が水に強い!

 

昔の乾燥方法での話です。全ての飫肥杉がそうなのか?

と聞かれれば答えは・・・

 

ここで見極めが必要となります。

舟材として使用されていたのは飫肥杉の丸太の中心部、

 

赤身と呼ばれる部分です。

樹皮に近い外の部分には水を弾く性能はきわめて弱いです。

 

そして昔は時間をかけて、ゆっくり天然乾燥で乾かしました。

自然の力を使って天日干しで飫肥杉を乾かす事により、

耐久性の強い材料が生まれていました。

 

ところが、

現在の乾燥方法はほとんどが人工乾燥材です!

 

人工乾燥をすると飫肥杉が持つ、

 

油分や木の成分も水分と一緒に抜け出てしまいます。

せっかくの飫肥杉の成分もこれでは効果がなくなります。

 

国産の飫肥杉

image2私どもの話ですが、

15年ほど前までは国産材の内装材、フローリングにかなり力をいれていました。

 

特に宮崎県は戦後に植えられた杉材の日本一の産地です。

 

この一種が飫肥杉です。

 

できるだけ国産材を使用して日本の山林に貢献したいと考えての事で、

飫肥杉も使用しました。

 

国産材の健康住宅として、

宮崎産の飫肥杉(おびすぎ)で作られたた床材、フローリングを使用していました。

 

健康住宅という名がようやく出始めた頃です、

私たちが昔使っていた肥後杉も節有りの白太材がほとんどでした・・・

 

でも、問題がありました。

 

飫肥杉・柾目と板目では性能がまったく違います

images (1)無垢材、木の材料の採り方には板目と柾目というものがあります。

 

この板目と柾目でも性能が違います。

 

もちろん飫肥杉も例外ではありません!

板目は水に強い性質を持っていますので木造船に使用できるのは板目材ということです。

 

赤身で板目でなければ舟には不向きという事。

 

柾目は逆に水を通しますので舟には不向きな材料です!

 

おすし屋さんのおひつは湿度の調整をしないとシャリがベタベタニなってしまいますから、

柾目のおひつを使います。板目を使っては、美味しいシャリができないんです。

 

人工乾燥材では油分、木の成分も抜け落ちる・・・

image

人工乾燥剤は高温で強制的に水分を木から抜き取っていきます。

この時木からは水分と共に木の成分や油分も奪っていきます。

 

人工乾燥後の木は木の抜け殻ということ!

 

人工乾燥で水分を抜き取った肥後杉は恐ろしく軽く、

傷が他の材料より付きやすい材料といえます。

 

フローリングに使用した場合は汚れも付きやすい材料です。

米ぬかや自然塗料などでしっかりメンテナンスをする必要があります。

 

当然、飫肥杉も例外ではありません。

 

乾燥方法で木の特性は変化する・・・

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天然乾燥の赤身の部分だからこそ、

 

耐久性もあり、

油分も豊富に含まれ、

木造船の甲板としても使われていたわけですが、

 

在の加工工程、人工乾燥ではこの力は残っていません。

 

本来木は油分を含んでいるので、

何もしなくても自分で表面に膜をはって、傷を付きづらくしたり、

汚れが付きづらくします。

 

人工乾燥によって、

油分を抜き取られた無垢材は写真のように経年変化していきます。

 

逆に天然乾燥の無垢材は艶がでて光ってきます。

 

もちろん汚れもつきづらくなります。

 

つまり天然乾燥でなければ本当の木の性能は引き出せないという事!

その事を知らないと、

木は何でも同じと勘違いして、誤った判断をする可能性が高くなります。

 

本当の健康住宅でなくなるリスクがあるということです。

 

乾燥方法は木にとって大事な工程です!

杉林飫肥杉で、

建築内装材やフローリング材を作られている方が九州にいらっしゃいます。

 

飫肥杉の赤身の部分をしっかり使い、

乾燥はもちろん天日干しによる天然乾燥です。

 

この工程で作られた材料であれば耐久性もあり、

雨があたるウッドデッキ材として使用しても問題ないでしょう。

 

事実、ウッドデッキ材も販売しています。

天然乾燥だからできる使用用途です。

 

私たちも昔は、知識が足りなかったがゆえに、

人工乾燥の無垢材を使っていました。

 

正しい知識を得る事によって、

お客様に提案する材料、無垢材の種類は変わっていきました。

 

全てが天然乾燥材です。

木は皆同じではないのです!

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同じ丸太から取れる材料でも、

中心と外側では耐久性が違います。

 

赤身と白太。乾燥の仕方、天然乾燥と人工乾燥でもまったく違う材になってしまうのです。

そして柾目と板目でも違います!

 

この事を理解して無垢材を選ぶ時の参考にしてください。

無垢材にも適材適所があるという事ですね。

 

天然乾燥木材の一例です、よろしかったら一度!

 

→ 天然乾燥の木で室内を作ると!?

 

 

栃木県で国産材の杉、ひのき等の天然乾燥材がやっと見つかりました。

選択肢が増えたのはお施主様のためのメリットです。

 

今後。ブログで記事にしていきますのでお楽しみに!

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