バリアフリーリフォーム

現場とイベント

バリアフリーリフォームをお考えのあなた様へ!

 

バリアフリーのためのリフォームといっても、

数千円規模のものから、家の増築を行うような百万円単位のものまで様々あります。

 

とはいえ、金額に関わらずリフォームで考えることは基本的に同じ!

 

「バリアフリーリフォーム」の目的は、

高齢者の皆様が、毎日安心して住みやすく過ごせるような家を作ることです!

 

しかし、このバリアフリーのためのリフォームというのが意外と難しい・・・

 

実際にリフォームしてみたけど

せっかく取り付けた「手すり」がまったく意味をなしていない!

 

むしろリフォームする前のほうが楽だった・・・

というような事態に陥ってしまう人が多く存在するのも事実。

 

このようなことになってしまうのは、

リフォーム業者との意思の疎通が図れていなかった事もありますが

想定が甘すぎるということに原因があります。

 

そのため、バリアフリーのためのリフォームを行う時には、

じっくりと考え、しっかりと業者と話し合いを行わなければならないのです。

 

しかしそうはいっても、バリアフリーのためのリフォームなど

ほとんどの人が経験のないことです。

 

いまひとつ「どうしたら良いか?」

がわからないものです。

 

どのようなものを取り付ければよいのか、

どのようなことを想定すればよいのか、

迷うことばかりだと思います。

 

そこで今回は、バリアフリーのリフォームの際に考えるべき事を紹介していきます。

 

トイレや浴槽など、部屋や場所ごとに紹介していきますので、

「バリアフリーリフォーム」を考えている方は参考にしてください。

 

1.生活に欠かせない場所のリフォームが重要

 

バリアフリーのためのリフォーム工事を行う時に重要なのは、

今、生活する上で困っている場所を優先させるするということです。

 

つまり、家の中で使用頻度の高い場所からリフォーム!

ということになります。

 

もちろんそれ以外の場所もバリアフリー化しても良いのですが、

全てを希望通りにリフォームすると、かなりの費用がかかってしまいます。

 

少ない金額でバリアフリーリフォームをお考えなら、

まずは家の中で使用頻度の高い場所のことを考えるようにしましょう。

 

1-1.部屋までの導線、廊下をリフォームする

 

高齢者の方が使用している部屋は使用頻度が高い場所と言えます。

そしてその部屋に辿りつくまでの廊下も重要です!

 

転倒してしまったり、

足を挫いてしまったり、というトラブルが発生しやすい場所が廊下です。

 

昔は廊下という場所は、

バリアフリーの際にあまり重要視されていなかった場所です。

 

最近になって重要視する業者も多くなりましたが、

会社によってはまだあまりその意識がない場合もあります。

 

そのため、リフォーム業者にお願いする際には、

自分が重要視している事をしっかりと相手に伝えるようにする事が大事なのです。

 

1-1-1.廊下のリフォームを考える!

 

廊下には、手すりをつけましょう。

支えがある事で、安心感もありますし転倒防止にもなります。

 

手摺の高さは一般的な高さもありますが、

せっかく付けるのですから、使用する人がつかいやすい高さにしましょう!

 

実際に現場で確認しながら

高さを決める事をお勧めします!

 

1-1-2.階段がある場合は

 

もしも部屋までの導線に階段がある場合、

最初に考えるべきなのは部屋の移動です。

 

介護が必要になった場合などは、

毎日おんぶして上らなければならなくなります。

 

もしも階段から転げ落ちてしまえば、大怪我に繋がってしまい、

場合によっては命を落としてしまうこともあります。

 

基本的に高齢者を二階に住ませるというのは厳禁ということです。

 

しかし、どうしても二階しか場所がないという場合もあるでしょう。

そのような場合は、エレベーターの設置という方法によって

問題を解決することもできます。

 

ただ、かなり高額なリフォームになってしまうので、その点は覚悟しましょう。

 

1-1-3.段差は簡単に対処できる

 

バリアフリーといえばこれを思い浮かべる人も多いですが、

段差をなくすということも重要です。

 

普通はつまずかないような場所でも

足腰が弱くなってくるとつまずいてしまいますし、

車椅子も通りにくいので、できるだけ段差はなくすようにしたほうが良いのです。

 

小さな段差に関しては、ミニスロープなどのような

市販されているもので対処することもできます。

 

もちろん、しっかりと工事をして

段差を完全になくしたほうが安全ではあります!

 

予算が少ないという人はこのようなもので対処し、

リフォーム費用を抑えるようにしましょう。

 

1-2.トイレをリフォームする

バリアフリーを行う上で、

もっとも気を遣わなければならない場所はトイレです。

 

一日に何度も行く場所ですし、

体の不自由な状態で用を足すのはかなり難しいです。

また、気分が悪くなったときに駆け込み、

そのままトイレで気を失ってしまう、

ということもありますので、

危機管理というものも重要になってきます。

 

1-2-1.扉をリフォームする

トイレのバリアフリーを行うのであれば、

扉にも気を遣わなければなりません。

トイレの扉はできるだけ引き戸にするようにしましょう。

なぜなら車椅子に乗った状態だと、外開きの戸は入りにくいからです。

 

また、鍵に関しては

外からも解錠できるようにしておいたほうが良いです。

鍵を閉めてトイレに入り、中で倒れてしまった場合、

そのほうがすぐに助けることができます。

 

1-2-2.使い勝手の良いように

 

トイレのバリアフリー化では、

高齢者の方が使い勝手の良いようにリフォームを行うのは当然ですが、

介護者にとっても使い勝手が良いようにしておかなければなりません。

 

そのためにまず必要なのはスペースです。

 

普通の住宅にあるような一畳ほどのトイレだと、

いざ介護が必要になったとき、かなり苦労することになります。

 

また、便器の横には必ず手すりをつけるようにしましょう。

これがあるのと無いのとではまったく違います。

 

まだ歩ける人でも、これがあることによってぎっくり腰を防げますので、

車椅子を使うことを想定していなくても付けておくべきです。

 

1-2-3.命を守るために

 

トイレという場所は意外と事故が多い場所。

 

そのため、できれば体調が急変した際に、

そのことを簡単に知らせることができる

緊急コールボタンを設置する事をお勧めします。

 

ヒートショックにも注意が必要です!

 

冬の寒い日にはトイレの気温はかなり下がります。

暖かい場所から急に寒い場所にいったことで、

脳梗塞や心筋梗塞などが起こる事をヒートショックと言います。

 

冬場に高齢者がトイレで倒れてしまうという事例は意外と多いのです。

できれば簡易的なヒーターのようなものをつけておけば安心です。

 

1-3.部屋をリフォームする

 

高齢者の部屋を「バリアフリー化」するとなると、

かなり手を加えなければなりません。

 

居住空間であるということを考えれば、

精神的にも満足できるような場所にする必要もあります。

 

部屋のリフォームを行う際には、

利便性と快適さ、両方を考えるということが重要になります。

 

1-3-1.高齢者の部屋の位置をどこにするか

 

まず決めなければならないのは部屋の位置。

 

先にも述べましたが、

二階は色々と不便で危険も多いので、一階にするのがベスト!

 

また、トイレもできるだけ近い場所にあったほうが良いですね。

 

車椅子になると、少しの距離を移動するのも大変ですので、

部屋から直接行くことができるトイレを作ると便利です。

 

1-3-2.変化に気付きやすいように

部屋の中というのは密室空間であるため、

体調の変化やこけて怪我などをしてしまった場合など気付きにくいものです。

せめて声を出したらリビングに声が届くような状態であることが大切です。

そのため、リビングに近い場所に部屋があるようにしましょう。

 

1-3-3.精神的にもリラックスできるように

精神的にもリラックスできるようなリフォームを行うために大切なことは、

自然を感じられるということです。

日当たりや風通しの良い場所を選ぶようにしましょう。

 

また、窓の外の景色で四季を感じられるともっと良いです。

それだけで人の心は安定するものです。

要介護者などは精神的にも落ち込んでしまいがちですので、

そのような配慮も心がけるようにしましょう。

 

1-4.浴室のリフォームを行う

浴室も高齢者が怪我をしてしまいやすい場所です。

浴槽や浴室の壁は基本的に固いものですし、

水ですべりやすくなっています。

そのため、すべらないための工夫や、

万が一こけてしまっても怪我をしないためのリフォームが必要になってきます。

 

1-4-1.浴槽の高さを調整する

浴室の中で一番の危険なものは浴槽です。

またいでお湯につかろうとする時に
足が突っかかってしまうことがよくあるのです。

運が悪ければ、頭をぶつけて気を失ってしまい、

そのまま溺死してしまうこともあります。

少ない可能性ではありますが、

そのようなことになってしまってから後悔しても遅いですので、

しっかりと対処しておくようにしましょう。

 

浴槽の高さは、

高過ぎても低過ぎても怪我をしてしまう危険が高くなります。

人にもよりますが、

一般的には30~40センチがベストと言われているので、

またぎやすい高さを確認してから、

決定するようにしましょう。

 

1-4-2.安全性を高めるために

浴室の安全性を高めるためには、

浴槽に入る際に使う手すりなどがあると良いです。

また、浴室全体が滑りやすいので、

入り口から浴槽までの導線にも手すりがあったほうが良いです。

 

床に関しては、滑りにくい床材というものが存在します。

床材にはそのような素材を使用するか、

市販されている滑り防止のためのマットなどを使用するようにしましょう。

マットはやわらかいものが多いですので、万が一、こけてしまっても安心です。

 

トイレの際にも紹介しましたが、

暖房もできればあったほうが良いです。

浴室専用の暖房機器が存在するため、

そのようなものを使用するようにしましょう。

そして、暖房機器を使用するためのコンセントを

無い場合は作っておくということも大事なことです。

 

2.リフォームする際の注意点

これまで紹介した以外のことでも、

リフォームの際に気をつけておかなければならないポイントは多くあります。

考えなければいけないことが多過ぎて

嫌になってしまうかもしれませんが、

バリアフリーのためのリフォームとはそういうものです。

後から後悔しないように、

細かいところまでしっかりと考えておくようにしましょう。

 

2-1.玄関のリフォームを行う

バリアフリー化をする場合には、

玄関にも気を配らなければなりません。

段差が多く、車椅子でそのまま外に出ることができないとなると、

外に出るのが面倒になってしまい、

ひきこもりのような生活を送ってしまう高齢者も存在します。

そのため、体に負担のかからない玄関にリフォームする

ということが大切になってくるのです。

 

玄関においては、最低限、

車椅子が通れるほどの広さは確保しておくようにしましょう。

当然のように段差はなくしたいものですが、

市販されているスロープを使うと

急角度になってしまうことも多いため、

できるだけリフォームで段差をなくすようにしましょう。

 

また、靴を履く際にはバランスを崩しやすいものですので、

手すりもあると良いです。

そして、視野を確保するために、

照明も明るくするようにしましょう。

 

2-2.フローリングの床は滑りやすい

家の床といえばフローリングですが、

実はフローリングは滑りやすいため、

バリアフリーということを考えれば別の素材に変えたほうが良いです。

滑りにくいフローリング材というものも存在しますので、

そのようなものにしても良いですし、

コルク材などでも良いでしょう。

できれば、転倒したときのことも考えて、

やわらかい素材を選ぶようにしたほうが良いです。

やわらかいタイプのフローリング材も存在します。

 

2-3.照明はできるだけ明るく

見落としてしまいがちなポイントですが、

バリアフリーを考えるのであれば、

照明にも気を遣わなければなりません。

 

人は年齢を重ねると、

視野が狭くなったり、

視界が暗くなったり、

注意力が落ちてしまったりします。

目の老化をカバーするためにも、

明るい照明を使うようにしましょう。

 

また、電球を交換するときなどの事故は高齢者の方に多いです。

LED照明を使えば寿命が長いので、

極力怪我のリスクを少なくすることができます。

明るさも保てますのでおすすめです。

 

2-4.キッチンをリフォームする

キッチンはそれほど高い頻度で使う場所ではありませんが、

料理の好きな方などはバリアフリー化しておいたほうが良いです。

とはいっても、キッチンにはそもそも段差がない場合が多いので、

そこまで大規模なリフォームは行わなくても良いでしょう。

 

キッチンにおけるリフォームとしては、

調理台の高さを調整するというリフォームがあります。

かがんで料理をしなければならない場合、

それで腰を痛めてしまうこともあるため、

ちょうど良い高さを見極めてリフォームを行うようにしましょう。

 

また、座りながら料理ができるように椅子を用意しておくと良いです。

ただ、この際に料理台が高過ぎると椅子も相応に高くなってしまい、

座ると料理がしにくくなってしまうこともあるため、

そのようなことも考えて、高さを調整するようにしましょう。

 

2-5.必要のあるものを作ること

最後になりますが、

バリアフリーのためのリフォームをする際には、

必要のあるものだけを作るということが大切になってきます。

 

安全性を考えるあまり手すりを家中に作ってしまうと、

それはそれで邪魔になってしまいますし、

手すりで怪我をしてしまう可能性もあります。

そして何より、費用がかさんでしまうのが一番のデメリットです。

 

リフォーム業者は、できるだけ大きな規模のリフォームを行おうとします。

そのほうが稼げるからです。

その指示に従って必要のないものをたくさんつけてしまうと、

莫大な金額を支払わなければならなくなるので、

どのようなリフォームを行うかということは、

リフォーム業者に任せず、自分で決めるようにしましょう。

 

車椅子を使うことを想定して紹介してきましたが、

本当に車椅子が必要になるかどうかはわからないものです。

また、何十年か経てば、さらに良い素材や機械が開発されているはずです。

将来のためを考えて、バリアフリーを行うのも良いですが、

それが何十年か先の未来を見据えてのことであれば、

今すぐにリフォームを行わなくても良いのです。

 

もちろん、一度に工事を行ったほうが、

何度も細かく工事するよりは安く済みます。

ただ、必ずしもそうすることだけが正解ではないということは覚えておいてください。

関連記事一覧