アレルギー体質の建築士の独り言
私は一級建築士として十数年、
「森林浴のできる健康な家づくり」をテーマに仕事をしています。
そして「私自身がアレルギー体質なんです」
自分がアレルギー体質だから健康な家を建てての?」と聞かれれば
「はい、その通りです!」と、間違いなくお答えします。
最近では工事現場の埃や建材の臭いにも反応してしまい、仕事上ではチョット困ってもいるのですが(笑)
「食品の裏側」という本が食品添加物の怖さを取り上げてベストセラーになっていますが、「家づくりの裏側」も当然存在します!
食品の世界では「食添加物の問題」が大きく取り扱われていますが家の中にも同じような問題が起こっているのです。得に日本人、東南アジアの食べ物の成分に関する知識、家づくりの知識は欧米に比べてはるかに意識が低いのは事実です。
「食品添加物=家に使用される材料の化学物質」です。
家の中の化学物質に気をつけなければいけない!という亊です。
しかしながら残念な事に、現在の家づくりでは、この化学物質無しでは成り立たない状況になっています。
この化学物質が部屋の中の空気を間違いなく汚しています。あなたの住んでいる家の中の空気にも悪い影響を及ぼしています。少しづつ、ゆっくり体内に取り込まれていきます。
1日に人が吸い込む空気の量をご存じでしょうか?そんな事考えてみた事も有りませんよね。当然です。
では人が1日にすい込む空気の量をお答えします!
体重50kgの人の場合を例えにしてみます。一日の呼吸量を計算すると、0・5L×28,800回=体の中に露営入れている空気量14,400Lです。
200Lのドラム缶に換算してみましょう。なんとドラム缶、72缶分です・・・
どう思われますか?
私は子供の頃、親に連れられてほぼ毎日耳鼻科通いでした。妹も同じ様に通院していました。
病名はアレルギー性鼻炎とされ、父親も蓄膿症という鼻の病気持ちでありましたので、両親は遺伝で鼻が悪いのだろうと判断していたようです。
しかしながら、今思えば「家の内装材に使われている化学物質に問題があったのではないか」と思います!
現在でも両親が暮らす実家に引っ越したのは、私が小学三年生の頃だったと記憶しています。某ハウスメーカーが建てた中古住宅に両親と私、そして妹の四人で引っ越して来たのです・以前住んでいた家よりも日当たりも良く、部屋も明るい、引っ越してからも嬉しくてしょうがないといった感じで浮れていました。
ところが今考えてみれば、家の中に使われている内装仕上げ材は、住宅展示場では当たり前に使われている、床材はビニール系のシートや薄っぺらなカーペット。そして合板を使用した偽者のフローリング。壁はベニア建材やビニールクロス。天井は音楽室に使われる天井がブツブツした材料。
なんと!私が家を出るまで住んでいた家はほぼ100パーセント化学物質で出来た家だったのです。表面がツルツルに仕上っている内装材は、ほぼ化学物質の影響が出ていると考えてください。そのような中で生活すれば体調が悪くなるのも当たり前!
もともとアレルギー体質であったところに化学物質でダブルパンチ!当時、父親は室内でタバコも吸っていましたから煙草+化学物質でトリプルパンチといえますね!
当事は、大人の禁煙率も高い時代ですし、煙草の害もあまり騒がれていませんでしたから致しかたありませんが・・・
現在のように化学物質過敏症や、シックハウス症候群等という言葉さえない時代。まさか家が原因でアレルギーになるなんて事は誰も考えつかなかった事でしょう。化学物質過敏症、シックハウス症候群とは化学物質が原因で病気になってしまう事です。
症状は人によって様々ですので、症状を得定することは出来ません。
私自身も建築の仕事に就いてから家が原因で病気になるなんて事を知ったのは三〇歳を超えてからですから、恥ずかしいかぎりです。このような病気を一般の方々が知らないのは無理も有りません。私ですらそのような事を知ったのは、建築業界に入ってから十年も経ってからのことなのですから。
無知とは怖いものですし「無知は罪」とは良く言ったものです!
しかし、知ってしまったからには元にはもどれません!
そして、知ってしまったからにはこれまでの家作りを続ける事は出来ません!
自分は、新築の家に入ると何故眼が充血するのか、気分が悪くなるのか?
私はある自然素材を主にする設計事務所に所属することで知ってしまったのです!
「大手ハウスメーカーだから大丈夫!」
「そんな悪い材料使うはずがないよ!」
と思われているあなた!
家づくりの化学物質の基準は建築基準法に定められています。
国の基準ですからこれさえ守れば大丈夫!が今の建築業界です。
でもね、その法律がザルのような法律だとしたらどうでしょう?
- 実は日本の家は危険がいっぱいなんです!